興味深い分析の候補#

初期 EDA(analysis/0105)で見えた範囲から、次に掘れそうな問いを挙げる。 各項目に 必要なデータが揃っているか を明記した。 このデータセット単独で完結しない問いは、外部データが要る旨を書いてある。

難易度の目安:


A. 国とメダル#

A-1. 「メダル効率」— 参加選手あたりのメダル数 ★#

派遣人数が多い国が多く取るのは当たり前。1 人あたりで見ると誰が効率的か。 小国が上位に来るはず(ジャマイカ、ケニア、ノルウェー)。

A-2. 冬季に強い国・夏季に強い国 ★#

夏冬のメダルシェアの比を取り、散布図に置く。ノルウェーの冬季偏重、 インドの夏季偏重が両端に出るはず。「その国は何で稼いでいるか」の入口。

A-3. 一発屋の国と常連国 ★★#

初メダルからの継続性。1 回だけ取って以後 0 の NOC はどれくらいあるか。 メダル獲得国の広がり は「増えている」までしか言っていない。

A-4. ボイコットの影響 ★★#

1980 モスクワ(西側不参加)と 1984 ロサンゼルス(東側不参加)で メダル配分がどう歪んだか。editions$notes にボイコットの記載がある。

A-5. 開催国優位の分解 ★★★#

開催国優位 は「91% の大会で上振れ」までしか 言っていない。上振れが (a) 出場枠が増えたこと、(b) 1 選手あたりの成績向上、 (c) 自国有利な種目の採用、のどれで説明されるかを分ける。


B. 競技と種目#

B-1. 競技ごとの「メダル寡占度」★★#

上位数か国が何割を取るか(HHI やジニ係数)。 陸上短距離のような寡占競技と、射撃のような分散競技が分かれるはず。

B-2. 消えた競技・現れた競技 ★#

綱引き、ラケッツ、芸術競技(1912-1948)、近年の スケートボード・サーフィン・ブレイキン。実施期間を年表にする。

B-3. 種目数の増減と参加国の広がりの関係 ★★#

種目を増やすとメダルを取る国は増えるのか、上位国が取り切るのか。 種目構成の変化メダル獲得国の広がり を繋ぐ問い。

B-4. 団体競技と個人競技でメダル分布はどう違うか ★★#

団体競技はメダル 1 個に多人数が乗るため、「メダリスト人数」で見ると まったく違う勢力図になる。IOC 方式との比較。


C. 選手の身体と年齢#

C-1. 種目内での体格と成績の関係 ★★#

競技ごとの体格 は競技間の差を示したが、 同じ種目の中で背が高い選手はメダルを取りやすいのか。 バレーボール、水泳、ボート、走高跳などで検証できる。

C-2. 選手の「旬」の年齢は競技でどう違うか ★★#

競技ごとの年齢 は出場者の年齢分布。 メダリストの年齢分布と比べると、競技ごとのピーク年齢が出る。

C-3. 複数大会に出続ける選手 ★#

id 単位で出場大会数を数える。最多は何大会か、どの競技か。 馬術・射撃・セーリングが上位に来るはず(競技ごとの年齢 と整合するか)。

C-4. 体格の大型化はどこまで一般人口の伸長で説明できるか ★★★#

身長の時代変化 は 1960-2016 で男女とも 夏季で男女とも 7cm 伸びたことを示すが、これは一般人口の伸長と種目構成の変化が混ざっている。

C-5. BMI から見た競技の類型化 ★★#

身長・体重・BMI でクラスタリングし、競技を類型に分ける。 競技ごとの体格 を定量化したもの。


D. 性別#

D-1. 女子種目が追加されてから定着するまで ★★#

競技ごとに女子種目の初出年を出し、参加国数がどう増えたかを追う。 種目構成の変化 の中身を競技別に開く。

D-2. 混合種目の増加 ★#

2010 年代以降に混合種目が増えている。どの競技で、どういう形式か。

D-3. 男女で体格の分散に差はあるか ★★#

種目ごとに男女それぞれの身長分散を比較する。 女子種目のほうが選手層が薄い時代は分散が大きい、という仮説が立てられる。


E. データそのものへの問い#

E-1. なぜ 2018 年以降の選手個票は欠けているのか ★#

欠損率 / メダル網羅率 で見えた欠損は、Olympedia 側の整備状況か、パッケージの取り込み範囲か。

E-2. 芸術競技の 1,480 重複行は本当に全部実在か ★#

docs/preprocessing.md 2-1 でサンプルを見て「多くが実在」と判断したが、 全件は確認していない。芸術競技だけ抜き出して精査する価値がある。

E-3. team 列の使い道 ★★#

セーリングの艇名など、noc にない情報が入っている。 クラブ単位・艇単位の分析ができるかもしれない(1,395 通り)。


優先順位の私見#

まず E-1(データの制約が外れるかの確認)を済ませたい。 2016 年で切る制約が消えるなら、A・B 系の問いの射程が大きく広がる。

次に手を動かすなら A-2(夏冬の得意分野)と C-3(複数大会出場選手)。 どちらも既存の前処理でそのまま書けて、結果が直感的に面白い。

腰を据えて取り組む価値があるのは C-1(種目内での体格と成績)。 このデータセットで最も「わかっていないこと」に近い問いで、 生存バイアスの扱いを含めて設計しがいがある。