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case02(匿名加工情報): 情報特性の評価 — 3/7

加工方針を決める前の下ごしらえ。順序が大事です。まず ① 委員会規則(施行規則第34条=匿名加工情報の作成基準)で必須の措置を確定し、その上で ② 情報特性の観点から、丸めの水準や追加の削除を自主的に判断します。匿名加工では「誰か特定できるか」に加えて「元データと連結できる符号か」「珍しくて浮く値か」も見ます。用語は 用語集 を参照。

見るポイント① 委員会規則(施行規則第34条)— まず必須の措置を確定する

匿名加工情報には一律の作成基準があり、次の各号の措置が規則により必須です(施行規則第34条)。第1〜4号は削除・置換、第5号は一般化などで対応します。まずここを満たします。

  • 第1号: 特定の個人を識別できる記述等の削除(例: 氏名)
  • 第2号: 個人識別符号の削除(例: マイナンバー、生体データ)— 本事例には該当なし
  • 第3号: 相互に連結する符号の削除(例: 会員ID → 仮ID)
  • 第4号: 特異な記述等の削除(例: 超高齢、限定品、極端な数量・金額)
  • 第5号: データベースの性質を踏まえたその他の措置。丸め(一般化)の水準は該当者の人数・データ量に応じて判断する

「特定できる」から必須なのではない — 電話番号の例

電話番号は、それだけでは「誰か」は分かりません(単体での識別性は低い)。しかし本人に到達でき、外部情報との照合の手がかりになるため、第1号(特定の個人を識別できる記述等)として削除します。「単体で特定できるから」ではなく「照合・到達の手がかりを断つため」に扱う点に注意します。

見るポイント② 情報特性(誰が特定・再識別されうるか)— その上で自主的に判断する

①の必須措置を踏まえたうえで、情報特性の観点から、第5号の一般化をどの水準まで行うかや、規則で必須ではない項目(提供先に不要なID等)を追加で削除するかを、有用性と合わせて自主的に判断します。

  • 直接識別子: 単体で個人を特定できる(例: 氏名)。
  • 準識別子: 単体では特定できないが、組み合わせで特定につながりうる(例: 生年月日+性別+住所、利用日時+店舗)。
  • 連結符号: 元データと加工後データをつなぎ直せる符号(例: 会員ID)。
  • 特異な記述: 珍しくて少数の人しか当てはまらない値(例: 超高齢、限定品、極端な数量・金額)。
  • 本人到達性: その情報で本人に連絡・到達できる(例: 電話番号)。単体では「誰か」までは分からないことが多いが、照合の手がかりになる。
  • 該当者の人数: 同じ属性の組合せに該当する人が少ないほど特定されやすい。丸めの度合は該当者の人数・データセットの大きさ・人口の多寡に応じて判断する(レポートの考え方)。

チェック結果(項目別)

① 第34条の該当(規則で必須の措置) を先に確定し、② 情報特性 を突き合わせます。第1〜4号は削除・置換が必須、第5号は該当者の人数・データ量に応じた一般化(丸め)で対応します。

項目 第34条の該当 情報特性の分類 単体での識別性 連結符号 特異性
氏名 第1号(削除) 直接識別子
電話番号 第1号(削除) 本人到達性 低(照合の手がかり)
会員ID 第3号(仮IDへ置換) 内部管理識別子/連結符号
生年月日 第5号(年代へ一般化)/超高齢は第4号 準識別子 中(組合せで高) 超高齢は高
住所 第5号(市区郡へ一般化・水準は判断) 準識別子 中(組合せで高)
利用日時 第5号(分単位へ一般化・水準は判断) 行動・履歴 中(店舗と組合せ)
商品名 第4号(希少品→カテゴリ化) 行動・履歴 希少品は高
数量・金額 第4号(大量・超高額→丸め) 行動・履歴 極端値は高
性別 ―(有用性維持) 準識別子
店舗名 ―(有用性維持) 行動・履歴
店舗ID・取引ID・担当者ID・商品ID ―(提供先に不要→自主的に削除) 内部管理 一部

チェック結果のまとめ: まず第34条で必須の 氏名・電話番号(第1号)/会員ID(第3号)/超高齢・希少品・極端値(第4号) を確定します(個人識別符号=第2号は本事例に該当なし)。準識別子(生年月日・住所・利用日時)は第5号の一般化で、水準を該当者の人数・データ量に応じて判断します。その上で、性別・店舗名は有用性維持、提供先に不要なIDは自主的に削除、と情報特性から判断します。

→ この「① 規則で必須 → ② 情報特性から自主的に判断」の評価と提供先の利用目的を突き合わせ、次の 加工の設計 で施行規則第34条に沿って加工方針を決めます。