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case02(匿名加工情報): 加工の設計 — 4/7

各項目を「削除する/置き換える/粗くする/そのまま残す」のどれにするか、そしてその根拠。匿名加工では 施行規則第34条(匿名加工情報の作成基準) の枠組みに沿って決めます。

加工方針の全体像

加工方針加工の様子(加工前 → 加工後)
置換
会員ID仮ID
一般化
(丸め)
生年月日年代(7区分)
住所市区郡
利用日時分単位
商品名(希少品)カテゴリ/削除
数量(大量)上限で丸め
金額(超高額)区分へ丸め
削除
氏名***
電話番号***
店舗ID・取引ID・担当者ID・商品ID***
加工なし
性別性別
店舗名店舗名

匿名加工の目的は 再識別・復元を断つこと。個人を特定できる記述・連結符号・特異な記述を落とし、準識別子は「同じ属性の人が十分いる」粒度まで丸めます。性別・店舗名は他項目の加工で特定性が下がるため残します。

なぜ会員IDを「仮ID」に置き換えるの?(case01 の整理番号と何が違う?)

レコードをつなぐIDが要るなら、case01 の整理番号と同じでは?——ここが仮名と匿名の分かれ目です。

  • 共通点: 加工後も、顧客属性テーブルと購買履歴テーブルを 仮ID でつないで「属性 × 購買傾向」を分析できます。
  • 違い: 匿名加工では、元の会員IDと仮IDをつなぎ直せる対応表を残しません(施行規則34条3号=連結符号の削除)。case01(仮名)は照合すれば元をたどれる余地を残し識別禁止義務で運用しますが、匿名はそもそも元に戻せないようにします。
  • さらに、特異な記述(34条4号)を消し、準識別子を丸めることで、「1人しかいない組合せ」から個人が浮かないようにします。

なぜ丸めるのか — 該当者の人数に応じて

生年月日・住所などの準識別子を細かく残すと、「その組合せに該当する人が少ない」個人が特定されやすくなります。レポートは、該当者の人数・データセットの大きさ・人口の多寡に応じて丸めの度合を(可変に)判断する、としています(年代7区分・市区郡・分単位)。該当者が少ない値は、丸めをさらに粗くする・削除するなどで対応します。 加えて、超高齢・限定品・大量購入・超高額のような特異な記述(34条4号)は、丸めても浮くため削除・カテゴリ化・上限丸めで対処します。

項目ごとの評価と加工方針(一覧)

色は加工の種類(緑=置換/一般化・赤=削除・無色=加工なし)、「加工の根拠」列は、作成基準で規則で必須か、水準を判断する自主的な措置かの区分です(施行規則34条の各号との対応は下の折りたたみ)。

置換・一般化削除加工なし規則で必須自主的(水準は判断)

項目識別性特異性提供先の有用性加工方針加工の根拠理由
会員ID低(単体)連結に必要仮IDへ置換規則で必須元データと連結できる符号を断つ(対応表は残さない)
氏名不要削除規則で必須単体で個人を特定できる記述
電話番号不要削除規則で必須本人到達性。照合で特定につながる
生年月日超高齢は高年代で有用年代7区分へ丸め自主的 規則で必須準識別子を丸めて該当者を増やす。超高齢は特異値として対処
住所エリアで有用市区郡へ丸め自主的詳細エリアを落とし特定性を下げる
性別有用加工しない生年月日・住所の加工で対応、有用性が高い
利用日時時間帯で有用分単位へ丸め自主的店舗(位置)× 秒精度の照合を防ぐ
店舗名有用加工しない利用日時の加工で対応、有用性が高い
店舗ID・取引ID・担当者ID・商品ID不要削除自主的提供先に不要。想定外の再識別リスクを下げる
商品名希少品は高カテゴリで有用希少品はカテゴリ化/削除規則で必須限定品・超高級品は特異な記述
数量大量は高有用特異な数量は丸め/削除規則で必須大量購入は特異な記述
金額超高額は高有用超高額は区分へ丸め規則で必須超高額は特異な記述(トップコーディング)
匿名加工の根拠:施行規則34条(作成基準)の各号

匿名加工情報には、仮名加工情報と違って一律の作成基準があります(施行規則第34条)。

  • 1号: 特定の個人を識別できる記述等の削除(氏名・電話番号 等)
  • 2号: 個人識別符号の削除(本事例では該当なし)
  • 3号: 情報を相互に連結する符号の削除(会員ID → 仮ID)
  • 4号: 特異な記述等の削除(超高齢・希少品・大量・超高額)
  • 5号: データベースの性質を踏まえたその他の措置(丸めの水準は 該当者の人数・データセットの大きさに応じて判断)

加えて、作成時には匿名加工情報に含まれる情報の項目を公表し、識別行為の禁止などの取り扱いを守ります(詳細は最新のガイドラインで確認)。

→ 具体的な Python 処理は 加工仕様、加工後のスキーマは 加工後テーブル定義